引越し時の挨拶マナー

引越し祝いのお返し

引越し祝いのお返しと折り鶴

新築あるいは引越しの際、親族や友人からお祝いの品を頂くことがあります。そのお返しはどのようにするのが理想なのでしょうか。本来は、新居のお披露目会に招待するというかたちでお返しするのがベストですが、内祝として品物を贈る場合もあります。お返しをする時期や、贈り物の相場などご紹介していきますので、参考にして下さい。

お返しをする時期

引越し祝いのお返しを送る時期は、一般的に引越し後1~2ヶ月以内と考えられているようです。

引越し祝いを頂く時期は、引越前後1ヶ月が多いようです。誰に何を頂いたのかリストにしておくと、お返しを送る際にスムーズです。引越前にお祝いを頂いていたとしても、引越を終えてから、お返しを贈ります。

また、郵送などでお祝いを頂いた場合は、後日お返しを送るとしても、頂いてすぐに電話やお手紙でお礼を伝えて下さい。電話をする場合は、頂いた当日または翌日くらいまでには連絡することをお勧めします。

お返しの相場と贈るもの

食器とプレゼントボックス

お返しを贈る時期は、引越後1~2ヶ月以内とお伝えしましたが、どのくらいの予算で何を贈ると喜ばれるのでしょうか。頂いたお祝いによって相場は異なりますし、相手によって喜ばれる品物も変わってきます。ここではお返しの相場と、品物について詳しくご紹介します。

お返しの相場

引越し祝いのお返しの相場は、一般的な内祝と同様、お祝いの3分の1~半額程度と言われています。

ただ、頂いた品物の金額が分からない場合などは、必ずしも相場にこだわる必要はありません。また、両親などから高額な現金を頂いた場合などは、援助の気持ちもあるはずですので、相場通りのお返しをする必要はないでしょう。

お返しの品物

先程、お返しの相場は、お祝いの3分の1~半額とお伝えしましたが、どういった品物が喜ばれるのでしょうか。引越祝いのお返しとして、下記のようなものが人気です。

  • ・タオル
  • ・ドリップコーヒー
  • ・お菓子の詰め合わせ
  • ・カタログギフト
  • ・洗濯洗剤
  • ・ジュースなどのソフトドリンク
  • ・海苔
  • ・入浴剤
  • ・ビール
  • ・缶詰 など

趣味があるものは避け、食べ物・飲み物や日用必需品にすると、多くの人喜ばれます。食品にする場合は、保存のきくものを選んで下さい。また、金額が一目でわかってしまう、現金や商品券類は、お返しとしては避けて下さい。

店舗まで足を運ばなくても、引越祝いのお返しを取り扱っているネットショップが多くあります。予算別に検索でき、便利ですので参考にして下さい。

引越し内祝い取扱いネットショップ

シャディ:http://shaddy.jp/shinchiku/

ルメール:https://www.lemail.jp/hikkosi/

三越伊勢丹 キノギフト:http://kinogift.jp/shop/o/ohome-uch/

高島屋オンラインショップ:http://www.takashimaya.co.jp/shopping/gift/shinchikuuchiiwai/

熨斗の付け方

内祝い

引越し祝いのお返しをする場合は、「内祝」の熨斗を付ける必要があります。
百貨店や、専門のネットショップで購入する場合は、お店の方が十分に分かっているはずですので、相談して下さい。

内祝の熨斗は、下記のようなものを使用します。

水引の色 紅白もしくは金銀
水引の結び方 「蝶結び」、関西では「あわび結び」の場合もある
のし書き 「新築内祝」、「内祝」
水引の下 送り主の名前

「蝶結び」の水引は、ほどいても結び直せることから、何度あっても嬉しいお祝い事(出産・引越しなど)の際に使われます。関西ではお祝い事全般に「あわび結び」が用いられるため、引越しの内祝にも「あわび結び」が使われる場合があります。

<蝶結び>

蝶結び

<あわび結び>

あわび結び

お礼状も付け加える

お礼状用の便箋とペン

引越し祝いのお返しの品物を贈る際は、お礼状も添えることが重要なマナーです。
ここでは、お礼状の書き方や文例をご紹介しますので、参考にして下さい。

お礼状の書き方

お礼状を書く際、改まった書き方をする場合には拝啓や拝復で書き始め、敬具で結びます。 目上の方や尊敬している方に対しては謹啓で始め、敬白で結びます。文章の内容は、以下のような構成にします。

  • 1.季節にあった挨拶
  • 2.お祝いへのお礼(贈り物に対する感想があるとなお良い)
  • 3.近況報告や新居へのお誘い
  • 4.内祝を送らせていただくこと
  • 5.今後のお付き合いのお願い

お礼状の文例

お礼状の具体的な文章例をご紹介します。お祝いのお返しの品物と一緒に送る場合の文章例です。 お礼状を書く際の参考にして下さい。

<上司や目上の方へのお礼状の文章例>

拝啓 立夏の候、ご健勝にてお過ごしのこととお喜び申し上げます。
この度は私どもの引越しに際し、ご丁重にお祝いを賜り誠にありがたく、厚くお礼申しあげます。
早速、リビングに飾らせて頂いております。とても華やかで素敵な部屋になりました。
新しい環境にもようやく慣れ、落ち着いてまいりました。お近くにお越しの際にはぜひ、足をお運びくださいませ。
なお、心ばかりの内祝いの品をお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いに存じます。
これからも変わらぬご指導の程よろしくお願い申し上げます。
まずは略儀ながら、書中をもちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます。

敬具

<親しい間柄の人へのお礼状の文章例>

一雨ごとに涼しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
先日は私の引越しに際し、心のこもったお祝いの品を頂きありがとうございました。
早速、部屋に飾らせて頂いています。我家にぴったりのデザインで、とても気に入っています。
新しい生活にも慣れ、よいやく落ち着いてきました。都心からは少々遠くなりましたが、緑がおおくとても環境の良いところです。
よろしければ、今度ぜひ遊びにいらして下さい。家族でお待ちしています。
なお、ささやかですがお礼の品を贈ります。ご笑納いただければ幸いです。
季節の変わり目ですので、風邪などひかれませんようご自愛下さい。
まずは、お礼まで。

本来はお返しとして新居を披露するもの

ワインとお菓子

引越祝いのお返しの品物や挨拶状についてお伝えしてきましたが、本来は、新居のお披露目をもって、お返しとするのが正しいスタイルです。無事に引越しを終えたことをお知らせし、新居にご招待して、おもてなしをするのが何よりのお返しになりますので、可能な場合はお披露目会を開催することをお勧めします。

お披露目会を開催する場合、引越し後1~2ヶ月以内にするのが一般的です。新居を見て頂く為の会ですので、明るい時間帯にご招待しましょう。その際お茶や食事を用意してもてなします。引越し祝いで品物を頂いた場合は、お披露目の日に飾っておきましょう。

また、引越し祝いを頂いていない方をお披露目会にご招待することはマナー違反ではありません。内祝いの本来の意味は「お返し」ではなく「内(うち)の幸せを、お裾分けします」という意味ですので、お祝いを頂いたかどうかは無関係です。そういった場合には、当日お祝いを持参される方が多いので考慮しておきましょう。

お披露目会に招待した場合、内祝いの品物は必要ない

お披露目会に招待し、食事等でもてなした場合は、改めて内祝を贈る必要はありません。中にはお菓子やタオルなどのちょっとした品物を手土産に渡す人もいるようです。

ただし、お披露目会にご招待した場合でも、高額のお祝いを頂いた方にはお披露目とは別に内祝いを贈ることをお勧めします。また、お披露目会に招待した場合でも、スケジュールの都合などで来ていただけない可能性もあります。その場合は、引越祝いのお返しとして、別途、内祝いを贈るようにして下さい。

まとめ

引越祝いを頂いた際の、お返しについてご紹介してきました。本来であれば、新居のお披露目会を開催して、お返しとしたいところですが、様々な都合もあり、お祝いを頂いた方全員をご招待するのは難しいものです。お返しは、お祝いの3分の1~半分程度、という相場を頭に入れ、引越後1~2ヶ月以内に送るようにして下さい。