大型家具 | 荷物の引越しノウハウ

大型家具

大型家具を安全に、確実に運搬するには、さまざまな準備が必要です。ここでは、大型家具の引越し準備のポイントや、注意点をご紹介しています。また、大型家具に関連する引越し業者の一般的な対応やサービスについても、併せてご紹介します。

大型家具の引越しをスムーズに進めるためのポイント

引越し時の大型家具の運搬

大型家具の運搬は、安全性と計画性が重要です。大切な家具を傷つけず、また効率よく運搬するためのポイントは4つあります。

本体の梱包から運搬、配置までを引越し業者に任せる

大型家具の運搬には、いわゆるコツが必要で、力があればいいというものではありません。また、梱包が適切でないと、運搬中、事故につながる可能性が高くなりますので、梱包もプロに任せるのが一番です。大物家具の運搬は、できる限り引越し業者に任せるようにしましょう。

引越し業者の標準的なプランの場合、大物家具の梱包、運搬、設置は、基本サービスとして組み込まれていることがほとんどです。また、家具の解体や組立てについても、たいていの業者で対応しています。たとえば、ベッドのように、運搬時に解体や組立てが必要になることが多い家具は、別途、依頼をしなくてもスタッフがすべてやってくれるのが一般的です。

※引越し業者やプラン、運搬したい家具によっては、別途料金が必要になる場合があります。

搬入経路をあらかじめ確認しておく

大型家具の引越しでよくあるのが、建物の搬入口が思いのほか狭く、玄関から入れることができないというケースです。多くの場合、引越し業者でなんとか対応してもらえますが、家具や建物を傷つけるリスクが高まりますし、引越し費用は割高になりがちです。また、搬入を断念せざるを得ないことも、稀にあります。

このようなトラブルを避けるためにも、搬出、搬入経路は、前もって確認しておくようおすすめします。特に、搬入時のトラブルが多いため、新居の搬入経路の下見は重要。運びたい大型家具のサイズを測った上で、搬入経路を通せるか念入りに採寸しておきましょう。

<こんなところのサイズをチェック>

  • 玄関
  • 室内ドア
  • 階段や通路(室内、共有部分)
  • エレベーター
  • エントランス

搬入経路に関する注意点

マンションなどの集合住宅では、引越し作業に関連するルールが設けられているケースが多々あります。搬入経路として使う場所や作業時間、エレベーター利用などに制限がある可能性がありますので、搬入経路のサイズと併せて確認しておきましょう。

新居の家具配置図を作る

大型家具の場合、搬入が成功しても「希望通りの場所に設置できない」可能性があります。搬入経路を確認し、部屋に入れられると判断したら、今度はどこにどの家具を配置するか、採寸しながら決めていきましょう。

配置場所が決まったら、配置図を作成しておきます。引越し当日は、この図を見ながら家具の配置を指示してください。こうすることで、業者スタッフも作業しやすくなり、効率よく引越し作業を終えることができます。

大型家具は一度設置すると、後から動かすのが困難です。引越し作業の中で家具の配置をしたら、そのまま生活できるよう、しっかりと計画を立てておきましょう。

大型家具は本当に必要なものだけを新居に持っていく

大型家具のように大きくて重たい荷物は、運搬にそれなりの費用がかかります。一番もったいないのは、大型家具を「とりあえず」新居へ運び、結局使わずに処分してしまうことです。無駄なく引越しを行うには、新居で確実に使う家具だけを運ぶことができるかがポイントとなります。

持っていくか迷った家具があったら

以下に当てはまるものから、優先的に処分を検討するとよいでしょう。

  • 古くて使い勝手が悪い家具
  • 1年以上触れていない収納家具※
  • 新居の雰囲気に合わない家具
  • 新居に丁度よく配置できるスペースがない家具

※1年以上、ただ置いてあるだけの収納家具に入っているものは、不用品であることがほとんどです。引越しを機に、中身を処分した場合には、空になった収納家具も不要になる可能性があります。

不用品の処分方法(引越しお役立ち情報へ)

引越し当日に、処分しなければならない大型家具が出てしまったら

大型家具の引越しは、しっかり準備をしていても、いざ新居に運びこんでみると思い通りに配置できないことがあります。場合によっては、やむを得ず処分しなければならないこともあります。

当日になって、急遽、処分しなければならない家具が出てしまったときには、まず引越し業者に引き取ってもらえるか確認しましょう。引越し業者によっては、不用品回収サービスを有料でオプションサービスとして提供しており、当日でも対応してもらえる可能性があります。

引越し業者が来るまでにやっておくべき準備

大型家具の運搬を引越し業者に任せる場合、どこまで準備をしておけばよいか、その一般的な手順をご紹介します。

ベッド

ベッドを運搬するための準備

布団類は、布団袋などに入れて梱包します。布団袋は、用意してくれる引越し業者もあります。マットレスは、ベッドパットやカバーがついていない状態にしておきます。本体(フレーム)は、基本そのままで大丈夫です。ただし、引き出しが付いている場合には、必ず中を空にしておきましょう。中身をダンボールなどに詰めたら、準備完了です。

※マットレスは、たいてい業者スタッフが専用のカバーをかけてくれますが、カバーをかけずにそのまま運ぶ業者もあります。

引越しでベッドを運ぶ時の作業

タンス

タンスを運搬するための準備

タンスの準備は、基本的に中身をすべて取り出しておけば完了です。中身は、ダンボールに詰めておきます。ハンガーに吊るしてある洋服をそのまま梱包できる専用BOXや、着物専用の梱包資材などを用意している業者もありますので、あれば積極的に利用しましょう。効率よく準備ができるので、おすすめです。

中身を入れたままタンスを運搬することもある

作業効率を重視し、中身が入った状態でタンスを運ぶ引越し業者は数多くあります。タンス本体と中身を別に梱包するよりも楽に準備ができて、かつ積み荷のスペースや運搬作業時間を節約できるからです。

ただし、中身が入った状態のタンスは、空の時よりも破損やゆがみのリスクが高くなります。そのため、桐タンスのように繊細な家具の場合には、必ず中を空にしてから運搬しなければなりません。

タンスの中身を入れたまま運んでもらう際の4つの注意点(引越しお役立ち情報へ)

棚を運搬するための準備

大きな食器棚や本棚などは、重たいものや割れものが入っていますので、中身はすべて出しておかなければなりません。取り出した荷物は、別途ダンボールに詰めておきます。

棚本体の準備は、中が空になっていれば完了です。ガラス扉などが付いていても、そのままにしておきましょう。中には、引き出しや扉が開かないようにテープを貼る人がいますが、棚本体を傷つけたり汚したりする原因となりますので、貼らないよう注意してください。

テーブル

テーブルを運搬するための準備

ダイニングテーブルなど、大型のテーブルについては、特別準備することはありません。椅子も、引越し業者がくるまでそのままでOK。ただし、引き出しがある場合には、必ず中身を空にしてください。

大型テーブルは、脚を外さなければ玄関を通せないものがほとんどです。自信があるのであれば、自分で解体しておくのもよいでしょう。しかし、解体せずにそのまま運んだ方がいいケースも稀にありますので、解体するか否かの判断も業者スタッフに任せるのが無難です。

ソファー

ソファを運搬するための準備

大型のソファーは、大型テーブルと同様、準備は特に要りません。ソファーは思いのほか傷が付きやすく、梱包の難易度が高い家具ですので、分解や梱包は業者スタッフにやってもらいましょう。

※革張りのソファーは特に傷付きやすく、運搬後の傷でトラブルになるケースがあります。万が一に備え、梱包前の写真を残しておくと安心です。

机を運搬するための準備

机は棚と同様、中身をすべて取り出し、別途ダンボールなどに詰めておけば準備完了です。特に、学習机は複雑な構造になっているものも多く、解体や組立てが難しいものがありますので、すべて業者スタッフに任せましょう。

※机と切り離せるタイプの引き出し(デスクワゴンなど)については、中身が入ったまま運んでもらえる場合があります。ただし、運搬中の事故を防ぐためにも、割れものや液体、貴重品は入れないよう注意しましょう。

玄関より大きな家具を新居に運ぶ方法

大型家具は通常、解体してから運搬します。しかし、中には解体できないタイプのものもあり、玄関から搬出入できない家具も存在します。このような家具の場合には、窓やベランダなど、別の開口部を使って搬出入するのが一般的です。

2階や3階の荷物を窓やベランダから搬出入する場合は、業者スタッフが専用ロープなどを使って荷物の上げ下ろしをするか、ユニック(クレーン)車などの専用車両を使って荷物の上げ下ろしをするか、のどちらかになります。この作業を、一般的に外吊り作業といいます。

家具が大きすぎて玄関を通せない場合の対処法

※引越し業者で対応できる外吊り作業は、おおむね3階までです。4階以上の場合には、より大型の専用車両が必要となるため、対応可能な業者が限られてきます。上階への外吊り作業を希望する場合には、業者選びや車両代などに注意が必要です。

解体ができないイケアの家具は、基本的に破損保証対象外

イケア(IKEA)の家具は、引越しに向いていないと言われています。実際、引越し業者では、「運ぶには運ぶが、壊れても保証はできない」としているところがほとんどのようです。

イケアの家具は、一度組立てたら解体することはできません。つまり、日本の一般的な大型家具のように、解体や組立てを想定した構造になっていないということです。当然、このようなタイプの家具は、解体せずに運びます。ところが、イケアの家具は大きい上に重量があるため、解体して少しでも小さくしないと運べないものも多く、引越し業者としては、扱いに困る家具のひとつとなっているのが現状です。

大型家具に関連する引越し業者のサービス

引越し業者が行う大型家具に関連するサービス

引越し業者が行っているサービスの中で、大型家具に関連するものをいくつか挙げ、ご紹介します。

※基本的に、有料サービスです。

※業者や引越し時の状況によっては、対応できない場合があります。

大型家具だけでも運んでくれる

近隣への引越しで、かつ荷物が少ない場合、自分では運べない大型家具や家電だけ業者に運んでもらい、それ以外の荷物は自分で運びたいと考える人は少なくありません。引越し業者でも、このようなニーズに合わせて、家具や家電だけを運ぶ引越しプランを用意しています。少しでも引越し費用を抑えたい人には、おすすめのプランです。

大型家具1つから運んでくれる業者もある

対応している業者はある程度限られますが、大型家具を1つから運んでくれる業者もいくつかあります。たいていの場合、梱包、運搬、設置は業者スタッフが行ってくれますので、依頼者が行うのは配置時の指示くらいです。

例)ベッドのみの運搬を引越し業者に依頼する

引越し業者を利用する

引越し先とは別の家にも、家具を運んでもらうことができる

引越しを機に不要となった家具を、家族や知人などに譲りたいと思う人は案外多いものです。しかし、大型の家具ともなると、そう簡単に運べるものではありません。家具を人に譲る場合、運送業者に運んでもらうとそれなりの費用がかかります。処分してしまった方が安くあがることもあり、どうやって運ぶのが一番効率がよいか、迷うケースは多いようです。

引越し業者の中には、2ヶ所立ち寄り立ち寄りプラン、などと呼ばれるサービスを提供している業者があります。このサービスを使えば、荷物を運搬する途中、譲渡先の家に立ち寄ってもらい、業者スタッフの手で安全に大型家具を運びいれてもらうことができます。場合によっては、別途、運送会社に運搬を依頼するより安く上がることもありますし、運搬の手配や梱包などの手間も省くことができる便利なサービスです。

引越しが完了した後でも、家具の移動をお願いできる

引越しを終え新生活がスタートすると、使い勝手の悪さなどを理由に、家具の配置を変えたくなることがあります。しかし、大型家具は一度配置してしまうと簡単には動かせないため、我慢してそのまま生活するしかないという人も少なくありません。

引越し業者ではアフターサービスとして、引越し後の家具移動サービスを提供している場合があります。オプションサービスとして提供している業者はもちろん、期間内であれば無料で配置替えをしてくれる業者もあります。

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