引越し時の挨拶マナー | 引越し準備のお役立ち情報

引越し時の挨拶マナー

引越しの挨拶まわり

引越しの挨拶まわりは、引越し元、引越し先の両方で行います。まず、引越し元では、お世話になったお礼や引越し作業の騒音などに対するお詫びをしましょう。しっかり挨拶をしておけば、引越し当日に苦情を受ける可能性はかなり低くなります。

一方、引越し先では、自己紹介を兼ねた挨拶をします。近隣住民によい印象をもってもらうのと同時に、どんな人が近所に住んでいるのかを知っておくためにも、引越し挨拶は欠かさない方がよいでしょう。

※女性の一人暮らしの場合には、防犯上、挨拶をしない方がよいとも言われています。ストーカー被害など、犯罪に巻き込まれる可能性があるからです。

引越しの挨拶はどこまですればいいの?

引越しの挨拶は、どこまですればいいのか、困った方は多いのではないでしょうか?一軒家の場合と集合住宅で範囲をご紹介します。

一軒家の場合は、向かい側の3軒、両隣の5軒まで

一軒家の引越し挨拶範囲

道をはさんだ向かい側の3軒、両隣の5軒には必ず挨拶しましょう。また、真裏にお宅がある場合は、そのお宅にも挨拶します。真裏のお宅の両隣には、基本挨拶は不要です。その他、自治会(町内会)長さんなどへの挨拶も忘れずに。

集合住宅の場合、両隣はもちろん、上下の部屋まで

集合住宅の引越し挨拶範囲

マンションやアパートの場合には、両隣はもちろん、上下の部屋にも挨拶するのが一般的です。ただし、戸数の少ない建物(たとえば4戸のアパートなど)の場合は、すべてのお宅に挨拶するのが無難です。

また、賃貸物件の場合は、どんな住人が多いか、挨拶はどうしているかなどを、貸主や管理会社に確認しておくとよいでしょう。中には、「挨拶は不要」としている賃貸物件もあります。

引越し挨拶に伺うタイミングは?

次に、挨拶をいつするのか?です。引越し先で、引越ししてから期間が随分と経ってしまっては、挨拶もしづらくなる上に、不審に思われるかもしれません。

いつ、引越し挨拶をするのが好ましいか、以下にご紹介します。ちなみに、訪問する時間帯は、10時~18時までにしましょう。

引越し元では、1週間前くらい~前日までに

引越しの1週間前くらい~前日までに済ませます。大家さんや管理会社に対しては、鍵を返却する際に挨拶しましょう。特に親しくしていたご近所さんには、あらかじめ引越しする旨を知らせておき、2日前までには直接挨拶をします。引越しの挨拶は、今までの御礼と、引越し当日の騒音や引越し業者の出入りに対するお詫びですので、当日は避けましょう。

引越し先では、引越しが終わったらすぐに

荷物の搬入が完了し、業者が引き上げたら、すぐに挨拶まわりをします。ただし、18時を過ぎてしまう場合には翌日にしましょう。もし、翌日も都合がつかないようであれば、1週間以内に挨拶ができるよう調整してください。挨拶前に、近所で顔を合わすようなことになると、挨拶をしづらくなり、ご近所さんも不安に思うかもしれません。

引越し挨拶したいけど不在!そんな時は

不在で引越し挨拶できなかった場合の手紙の文章例

何度か伺ったけど、いつも不在で挨拶ができない、というケースはよくみられます。中には、引越し挨拶を嫌って、居留守を使う人もいますので、しつこく訪問するのは好ましくありません。2回ほど挨拶に行って不在だった場合には、簡単な手紙を添えて粗品と一緒にポストに入れておきましょう。

※消費期限があるようなものは、ポストに入れないようご注意ください。

入居者のうち誰が引越し挨拶にいくべきか

引越し挨拶は、誰がやらなければならない、という決まりはありません。ただ、できれば、入居者全員で挨拶をするのがベストです。特に、子供がいる場合は、子供を連れていった方がよいでしょう。挨拶された側も、子供がいると分かれば、多少の騒音はおおめに見てくれる可能性が高くなります。

全員での挨拶が難しければ、代表者が挨拶をします。引越し挨拶は、1度で充分ですので、他の入居者が後日挨拶に行く必要はありません。

挨拶時の服装

特に具体的なしきたりはありませんので、カジュアルな服装でも問題ありません。ただしあまりだらしない格好は避け、落ち着きがあり、清潔感が感じられる服装が好ましいでしょう。

引越し挨拶の具体的な流れ

引越し挨拶は、ご近所のお宅に伺って、直接挨拶するもの。その際には、ちょっとした贈りものを持参するのがマナーです。

引越し元のご挨拶

1.先方のお宅に訪問。返事があれば

「(家の場所)の(名字)です。ご挨拶に伺いました。」

2.ドアを開けてくれたら

「この度、引っ越すことになり、ご挨拶に伺いました。長い間お世話になりました。明日は、引越し作業で、何かとご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。」

3.最後にお礼を言って終了

「大変お世話になりました。ありがとうございました。」

※基本、贈りものは無くてもOK。ただし、特にお世話になった人には、渡すのが無難です。渡すタイミングは「2」と「3」の間。「ほんの心ばかりですが、お世話になったお礼です」などの言葉をつけて、渡しましょう。

引っ越し先のご挨拶

1.先方のお宅に訪問。返事があれば

「突然すみません。近所に越してきた(名字)と申します。引越しのご挨拶に伺いました。」

2.ドアを開けてくれたら

「この度、(家の場所)に越してきました、(名字)と申します。ご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。」

3.贈りものを渡しながら

「ほんの気持ちばかりですが、よろしければお使いください(お召し上がりください)。」

4.最後に一言挨拶を入れて終了

「今後ともよろしくお願いします」

※初対面なので、長居しないように注意しましょう。話が長いと相手に不快感を与えることがあります。

引越し挨拶にふさわしい品物

引越しの挨拶で用意する粗品は、もらった人がお返しをしなくてよいものを選びます。使えば消えて無くなるもの、好みに左右されにくいものがよいと言われています。具体的には、以下のような品物がおすすめです。

引越し挨拶で使用するのし紙
金額 一般的な相場は500~1500円
※特にお世話になった人(大家さんなど)には倍の1000~3000円
品物 タオル・石けん・洗剤・お茶などの消耗品やお菓子
のし 紅白の蝶結びの水引。新居の品には「御挨拶」、
旧居の品は「御礼」の表書き

引越しのお知らせ(挨拶状)の出し方

引越しのお知らせはがき

ごく親しい間柄の相手には、メールで引越しを知らせるケースが増えました。送る方も、送られる方も、デジタルデータの方が便利だからです。しかし、転居は、はがきでお知らせするのが一般的なマナー。年賀状をやり取りしている範囲の人には、転居はがきを送りましょう。

引越しの挨拶状

転居はがきを出す期間は、引越し後1ヶ月~2カ月以内に

引越し後1ヶ月以内、遅くても2ヶ月以内には、転居はがきを送ります。引越し時期が11月~年末くらいまでなら、年賀状でお知らせしてもよいでしょう。ただし、喪中はがきには、引越しの報告を入れることはできません。喪中の場合には、寒中見舞いなどで、転居の報告をしましょう。

転居はがきの書き方

転居はがきの文章を考えるときには、以下の順序に従って構成しましょう。

転居はがきの文章例
  • 1. 季節にあった挨拶
  • 2. 相手を気遣った言葉
  • 3. 引越しのお知らせ
  • 4. 今後のお付き合いのお願い

文章の頭には「拝啓」、締めくくりには「敬具」を入れます。また、文章の後には、日付と住所、家族全員の名前を入れましょう。

※右の文章例は、ごく一般的なものです。親しい間柄の人へ送る場合には、もう少しカジュアルな文章で構いません。あまりにかしこまった文章だと、違和感を覚える人もいます。

引越し祝いのお返し(内祝い)はどうすればいいの?

引越し祝いのお返しに贈る品物

引越し祝いに対するお返しは、本来、新居に招いておもてなしすること(お披露目会)で果たされます。ただ、すべての人を招待するのは難しいことです。また、高額なお祝いをいただいた人へのお返しを、お披露目会だけで済ませるのは物足りないという場合もあります。

そのため、引越し祝いをいただいた人には、「内祝い」を贈るのが一般的なマナーとなっています。いつ、どんなものを贈るのが好ましいか、あらかじめ覚えておきましょう。

引越し祝いのお返し

内祝いを贈る時期は、引越し後1ヶ月~2ヶ月以内に

お祝いを受け取ったら、電話でも、手紙(お礼状)でもかまいませんので、すぐに感謝の気持ちを伝えましょう。その後、改めて内祝いを贈ります。引越しをしてから、1ヶ月~2ヶ月の間に贈るのがベストです。

内祝いの金額相場は、いただいた品物の1/3~半額程度

いただいた品物(あるいは現金)の、1/3~半額程度の金額のものを贈ります。ただし、お祝いが高額の場合、あるいは金額が分からない場合には、相場にこだわらなくてもよいでしょう。

特に、親族や親戚からの高額なお祝いは、「援助」の意味が含まれていることが多いようです。相場に合わせて高額なものをお返しすると、逆に「失礼」だと思われる可能性もあります。このようなケースでは、内祝いの金額よりも、お礼の気持ちを伝えることに重点をおいた方がよいでしょう。

どんなものがいいの?

引越しの内祝いで、明確にタブーとされているものは特にありません。しかし、一般的に縁起の悪いものなどは、避けて選ぶのが無難です。

内祝ののし紙
ふさわしい物
(よく選ばれている物)
器・グラスなどの食器類・タオル・洗剤などの実用品
お菓子・コーヒー・紅茶などの食品・カタログギフト
ふさわしくない物
(縁起が悪い物)
ハンカチ・櫛(くし)・日本茶・4(死)や9(苦)がつくもの
赤いもの・火を使うもの ※火事を連想させるため
のし 紅白の蝶結びの水引。表書きは「内祝」 ※家を建てた(新築祝いをもらった)場合は、「新築内祝」

意外と知らない!?「内祝い」の本当の意味

内祝いとは、身内におめでたいことがあったときに、ご近所や親戚に配る贈りもののこと。喜び事は、みんなで分かち合おうという意味の風習であり、内祝いは「お返し」ではありません。たとえ、お返しのつもりで贈るものであっても、内祝いを贈る際には、「お返し」という言葉を使わないよう、充分注意しましょう。

引越し祝いのお礼状の書き方

お礼状はすぐに送るのが一番ですが、遅くとも1ヶ月以内には出すようにしましょう。お礼状は、転居はがきと違い、封書で送るのがマナーです。便箋と封筒は、共に白い無地のもの(縦書き、和封筒)を使うのが基本となります。文章は、以下のように構成するとよいでしょう。

引越し祝いのお礼状の文章例
  • 1. 季節にあった挨拶
  • 2. 相手を気遣った言葉
  • 3. お祝いへのお礼
  • 4. 近況報告や新居へのお誘い
  • 5. 今後のお付き合いのお願い

右の例文は、目上の方へ向けたものです。親しい間柄の場合には、頭語(拝啓)や結語(敬具)をつけず、もう少しカジュアルな文章でもかまいません。また、横書きのタイプや、多少模様が入ったタイプのものを使っても、特に差し支えはないでしょう。

お礼状の書き方

まとめ

引越しの挨拶は引越し先での生活を快適に送るために大切なことです。また、引越しのお知らせを周囲の人に伝えることも、付き合いを円滑に進めるためにも重要なことです。挨拶する時期や送るもの、挨拶状や引越し祝いのお礼状の書き方などのマナーを守り、挨拶はしっかりと行いましょう。