海外引越しの準備

海外引越しの費用が高い7つの理由

海外引越しでは、たいてい費用が高額になります。これは、単に引越し先が遠いという理由だけではなく、国内引越しと異なる運搬方法や手続き、その他作業に対する費用がかかることが主な原因です。ただ、安全に、確実に海外引越しをするには、こういった費用を削ることはなかなかできません。では、海外引越しを高くする費用とは具体的に何なのか、その費用が必要となる理由も含めてご紹介します。

飛行機

1.陸送費とは別に海上・航空輸送費がかかる

海外引越しで荷物を輸送する場合、当然トラックだけでは運べないので、必ず船便や航空便を利用することになります。この海上輸送費、航空輸送費が、海外引越し費用を高くする最も大きな要因です。

特に航空便は高い!

特に、航空便を利用すると、荷物が早く届いて便利ですが費用は高くなります。少しでも費用を抑えたいのであれば、なるべく船便をメインに利用してください。ただし、その分荷物の到着は遅くなります。

2.梱包の費用が高い

海外へ送る荷物には、輸送に耐えうる適切な梱包が必要なため、多くは依頼者に代わり業者スタッフが梱包をします。また、梱包にはかなりの量の資材が必要とし、厳重に梱包をします。そのため、梱包にかかる費用はどうしても高くなってしまいます。なぜ、厳重に梱包する必要があるのでしょうか。

荷物の破損事故が多いので厳重な梱包が必要

海外引越しのための厳重な梱包

引越し業者に預けた荷物は、輸送中、別の運送業者の手によって何度も積み替えられます。積み替える際の荷物の扱いは、非常に雑です。適切な梱包がされていない荷物は簡単に潰されてしまうため、多くの海外引越し業者では、スタッフが荷物の梱包を行い、厳重に保護することで破損事故を防いでいます。

3. 荷物に対する保険料がかかる

国内引越しの場合、荷物に対する保険は引越し業者が加入するものであり、基本依頼者が保険に加入することはありません。しかし、海外引越しの場合、保険に加入するのは引越し業者ではなく、依頼者本人です。そのため、ほとんどの海外引越し業者で保険を用意していますが、たいていは有料オプションとして扱われています。つまり、荷物に保険をかけたい場合には、引越し費用にプラスして保険料を支払う必要があるということです。

保険加入は任意、でも加入するのが基本

荷物に保険をかけるか否かは依頼者が決めることなので、保険に加入しないという選択肢もあります。しかし、海外引越しでは、荷物の破損や紛失のリスクが高いため、保険は加入するのが一般的です。

4.通関手続き代行費用がかかる

海外引越しでは、荷物の通関手続きが必要です。日本では輸出通関、現地では輸入通関を経て、ようやく新居へ荷物を運ぶことができます。通関とは、税関を通ることを指し、荷物の申告と検査を受けた後、手続きを済ませ、輸入の場合は税金を支払って輸出入の許可を終えるところまでを指します。通関手続きは、次のタイミングで行われます。

通関手続きのタイミング

通関手続きは、決して簡単な作業ではないため、一般的な海外引越しプランには、通関手続きを代行するサービスが含まれていることがほとんどです。もちろん有料のサービスになるので、代行費用がかかる分、国内引越しよりも費用は高くなります。

輸入通関手続きを自分で行うプランもあるが、利用には注意が必要

海外引越しの一般的なプランには、主にルームツールーム(またはドアツードア)と呼ばれる旧居から新居まで荷物を運ぶプランと、ドアツーポートと呼ばれる旧居から港・空港(または倉庫)まで運ぶプランがあります。ドアツーポートを選んだ場合、現地での輸入通関手続きや新居までの荷物の運搬は自分で行うことになるので、その分引越し費用は安く済ませられます。ただし、輸入通関を自分でクリアするには、かなりの会話能力を要します。ドアツーポートは、現地語が堪能な人や海外引越しの経験が豊富な人向けのプランになるので注意してください。

5.荷物に関税がかかることがある

海外へ荷物を送る場合、「引越し荷物」として送るのであれば、基本的に関税はかかりません。しかし、国によってさまざまなルールや制限が設けられているため、場合によっては引越し荷物が課税対象になることもあります。課税対象の荷物を現地に持ち込みたいのであれば、関税の支払いを免れることはできないので、その分どうしても引越し費用がかさみます。

発展途上国では、引越し荷物にも関税がかかることが多い

一部の国では、引越し荷物にも関税がかかります。また、一部の引越し荷物に課税する国も多く見られます。特に発展途上国は、引越し荷物にも関税がかかることが多いので注意が必要です。

発展途上国

例えば、中国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、ブラジルなどの国では、家電製品や趣味用品などを中心に関税がかかります。また、ロシアでは、いかなる荷物に対しても関税がかかります。

たいていの引越し業者では、相手国の通関事情をしっかり把握しているので、無駄な関税を払わないで済むよう、何を送って何を現地調達すればよいか、よく相談して決めるようにしてください。

「新品」の引越し荷物には、たいてい関税がかかる

「新品」のものを海外に送る場合、現地では「輸入」と同じ扱いになるため、たいてい関税がかかります。引越し荷物として認められるには、原則として中古品である必要があるからです。

未使用の荷物はもちろんですが、既に使用中のものでも購入して間もなければ「新品」と見なされます。どこまでが「新品」か、その基準は国によってまちまちですが、中には1年以内に購入したものも「新品」とする国があるので注意してください。

長期滞在ビザを取得していなければ関税がかかる

EU諸国を除き、海外引越しで関税を免除してもらうためには、原則長期滞在ビザが必要です。つまり、長期滞在ビザがない状態で海外に荷物を送る場合には、関税を支払って現地に持ち込むことになります。

荷物の送り主と受け取り主が違うだけでも関税がかかる

海外へ送る荷物は、「自分から自分宛てに送る家財」だからこそ、税金が免除されます。そのため、現地で荷物を受け取るのが、本人ではなく代理人だった場合、その荷物には関税が発生してしまいます。

6.荷物によっては、現地へ持ち込むための検査費用が必要

関税と同様、通関時に支払い義務が生じる可能性があるもの、それは荷物の検査費用です。たとえば、シンガポールでは映像ソフト、マレーシアではビデオテープの持ち込みに、必ず検査費用がかかります。高額な検査費用がかかるケースも少なくないので、現地に何を送るかは慎重に決めなければなりません。

想定外の検査費用がかかることもある

海外に送られる荷物は、通関の際に検査を受けますが、そこで問題が見つかると再検査が行われます。再検査には手間と時間がかかるケースが多く、その費用は自分で負担しなければなりません。おもちゃや梱包のダンボールなど、思いもよらないものが再検査の対象となることもあるため、海外引越しでは想定外の出費に対する覚悟が必要です。

7.日本語サポートサービスを利用すると高くなる

海外引越しでは、たいていの人が国柄や言葉の違いに不安を感じます。そのため、現地での日本人(または日本語)によるサポート(以下、日本語サポート)はとても需要の高いサービスです。

海外引越し時のサポートサービス

日本語サポートの有無は、業者やプランによって異なり、有料オプションとして追加する場合もあれば、引越しプランに含まれている場合もあります。たとえば、現地の引越し作業に日本人スタッフがいる、海外滞在中に日本語で対応してくれる窓口がある、などのサービスが一般的です。

引越し費用が高い理由は人件費

日本語サポートは、言葉の不安を解消し、万が一の時にも頼りになる便利なサービスです。しかし、日本人あるいは日本語が堪能なスタッフを現地に用意するには、当然それなりの人件費がかかります。この人件費が、日本語サポートを提供している業者の引越し費用を若干割高にしている原因です。

まとめ

海外引越しでは、荷物の運搬費以外にも、梱包、通関手続き、関税や検査、保険など、さまざまな費用がかかります。これらの費用は、「無事に引越しを終わらせる」ことを考えれば、必要になる費用です。

では、どうやって海外引越し費用を安くすればいいのか、それは「荷物」を減らすことです。海外引越しでかかる費用の大部分は荷物に関わる費用なので、無駄な荷物を一切無くせば、必要最低限の費用で安全に海外引越しをすることができます。