海外引越しの準備

海外引越しで送れない荷物

海外へ送る荷物は、法律や条例などによって厳しく制限されています。海外に送ってはいけないもの(一般的に禁制品と呼びます)を送ってしまった場合は、税関で没収されるか日本に送り返されることになるので注意が必要です。

海外に送ってはいけない荷物

禁制品を海外に送ることは、法律違反、条例違反です。場合によっては、罰則の対象になります。誤って禁制品を送ってしまうことがないよう荷造りの際には、何が禁制品に当たるかを必ず確認してください。具体的に何が禁制品にあたるかは、国や地域による違いもありますが、まずは世界中どの国にも送ることができないものからご紹介していきます。

引越し先の国に関係なく、海外に送ってはいけない荷物

政治的煽動の意図がある文書やわいせつな物

たとえば、ポルノ雑誌など公序良俗に反するわいせつな物や不道徳な品物は、海外に送ることはできません。また、政治的煽動を目的とする書物や書類も禁制品に含まれます。ただし、国によって禁制品と判断される基準に違いが生じるため、渡航先国の税関事情をしっかりと確認しておく必要があります。

花火やライターなどの危険物

燃えやすいものや爆発の恐れがあるもの、武器となり得るものなどは危険物として見なされ、海外には送れません。以下は、危険物の例です。

  • 花火
  • クラッカー
  • マッチ
  • ライター
  • ライター用燃料
  • エアゾールスプレー
  • カセットコンロ用ガス
  • 漂白剤
  • 水銀
  • バッテリー
  • 鉄砲刀剣
  • 放射性物質 など

虫よけやスタイリング剤などでおなじみのエアゾールスプレーも、海外へ送る際には危険物となります。また、ノートパソコンや携帯ゲーム機などのバッテリーは、一部送れない種類のものがあるので注意してください。

毒物や劇物などの薬品

毒物、劇薬、麻薬などの危険性が高い化学薬品は、すべて禁制品です。毒物には、家庭用の加熱蒸散式殺虫剤(室内に置いて薬剤を散布するタイプのもの)も含まれるので覚えておきましょう。ちなみに、スプレータイプの殺虫剤は危険物に当てはまるので送れません。

肉や野菜などの食品

病原体や有害物質を国外に広めてしまわないよう、食品の一部を禁制品と定めています。以下が、海外に送れない食品です。

  • 肉類
  • 野菜
  • 乳製品
  • 肉および魚の加工品

食品の禁制品は加工品が含まれるため、たとえば、牛肉が使われるレトルト食品やカップめん、だしの素なども基本的には禁制品に含まれます。かなり範囲が広くなるので、食品はできる限り送らないのが無難です。

動植物、またはそれらを使った加工品

渡航先国の生態系被害の防止や、動物保護の観点から、動植物の輸送も厳しく制限されています。また、食品と同様に、病原体などの伝播防止の意味もあります。これに当てはまる禁制品は、以下の通りです。

  • 種子
  • 動物の皮・毛皮・角・骨・象牙などを材料とした加工品
  • 土(何かに付着しているものも含む)
  • わら製品 など

動物を材料とした加工品とは、たとえばワニ革のバック、オーストリッチの財布といったもので、ワシントン条約において取引の禁止されている動植物を使ったものが対象となります。もちろん、加工品だけでなく、生きている動植物も輸送禁止です。

北米・南米に送ることができない荷物

自由の女神

アメリカ大陸の国々の禁制品を一部ご紹介します。アメリカでは、たばこやお酒、あるいは、お酒が入った飲料などの持ち込みを制限している地域が多く見られます。また、避妊具やそれに関連するものの持ち込みを制限する傾向があります。

<それぞれの国で禁止している荷物の例>

カナダ ・アルコール飲料
・茶以外の植物で作られた(または含まれる)茶 など
アメリカ合衆国 ・たばこ
・アルコール飲料 など
メキシコ ・絹
・菓子
・たばこ
・おしゃぶり など
ブラジル ・アルコール飲料
・電子たばこ
・ブラジルで容易に購入できる文房具 など

ヨーロッパに送ることができない荷物

凱旋門

ヨーロッパ諸国の禁制品の一部を紹介します。おおむね、世界共通の禁制品を中心に持ち込みを制限していますが、若干、食料品に対する制限が厳しい傾向にあります。持ち込むための許可が必要な食料品もあるため、確認が必要です。

<それぞれの国で禁止している荷物の例>

イギリス ・たまご、及び、たまごが含まれる製品
・ハチミツ、及び、はちみつが含まれる製品
・ジャガイモ
・不潔な衣類やぼろ布
・恐怖物語のレコードあるいは映画
・アルコール度数24度以上の飲料
・1リットルを超える液体
ドイツ ・カカオの実の粉末(または含まれる製品)
フランス ・食料品
・サッカリン(甘味料)の錠剤
・美術品
・模造の真珠
イタリア ・たばこ
・メチルアルコール(または含まれる製品)

※メチルアルコール製品には、飲料、消毒剤、香水、化粧品、ネイルケア製品などがあるので要注意

アジアに送ることができない荷物

鳳凰古城

アジアの国々の禁制品の一部をご紹介します。アジアでは、引越し荷物全般に対し、持ち込み制限が厳しい傾向にあります。中でも、家電や通信機器、ギャンブルに関連する製品、ぜいたく品に対してはかなり厳しくチェックされます。アジアの場合、たとえ持ち込めるとしても、許可が必要なもの、関税がかかるものが多いので、しっかり確認をした上で送る荷物を決めてください。

<それぞれの国で禁止している荷物の例>

中国 ・DVDレコーダー
・BSチューナー など
ベトナム ・FMラジオ
・トランプ、及び、ギャンブルに関するもの など
フィリピン ・衛星放送受信アンテナ
・トランプ、及び、ギャンブルに関するもの など
インドネシア ・コードレス電話
・中国語の出版物 など
インド ・地球儀 など

オセアニアに送ることができない荷物

コアラ

オセアニアの禁制品の一部をご紹介します。この地域には、固有種が数多く生息することから、生態系保護の観点から検疫が非常に厳しい地域です。食料品全般、動植物(加工品を含む)、土はもちろん、梱包材のダンボールにまでチェックが入ることもあります。

<それぞれの国で禁止している荷物の例>

オーストラリア ・たまご、及び、たまごが含まれる製品
・玄米
・にぼし
・冷蔵庫 など
ニュージーランド ・たまご、及び、たまごが含まれる製品
・はちみつ、及び、はちみつが含まれる製品
・動物の毛を使ったブラシ など

まとめ

目的を問わず、何かを日本から持ち出す、あるいは海外へ持ち込むという行為は、法律などで細かく制限されています。たとえ引越し荷物であっても、輸送には国と国とのやり取りが生じるため責任重大です。不要なトラブルを無くすためにも、「何を送るか」は渡航先国のルールをしっかり把握した上で決めるようにしてください。

送りたい荷物が禁制品に当たるかどうかが分からない場合には、引越し業者に確認するのが解決の早道です。少しでも不安なことがあれば、遠慮せずに相談しましょう。