家電

エアコン移設は自分でやってはいけない

エアコンの移設に関して、取り付け、取り外しを素人が行うことはおすすめできません。その理由はエアコンの仕組みや取り付け、取り外しの作業工程をよく理解していない者が行うと、トラブルを起こす可能性があるからです。

エアコン移設を自分で行うとトラブルを起こす可能性がある

自分でやってはいけない理由

トラブルで最も懸念すべき点は、ガス漏れのリスクです。

エアコンは室内機と室外機をパイプで繋いでいます。このパイプ内には冷媒ガスが入っており、作業を行う際にはこの冷媒ガスに対する処置(室外機への回収)を適切に行なわなければなりません。万が一不適切な作業が行われた場合、ガスが外部に漏れ出す可能性があるので危険です。

適量のガスが入っていないエアコンは、いくら冷房をつけても部屋が冷えないといった不具合を招きます。不具合が生じればガスの補充が必要となり、その代金は数万円にもなります。

それ以外にも作業中にパイプ類を傷めてしまうリスクや、住宅の壁などに余計な傷をつけるリスクも考えられます。そうなれば当然、新しい部品や修理代として新たな費用が必要です。

特に賃貸の住宅に傷をつけてしまった場合には大きな問題となる場合があります。自分でできることと、そうでないものの区別をしっかりつけて引越し準備を行ってください。

エアコン移設の作業はこんなにも難しい

エアコン移設に必要な作業工程について説明します。
この作業を自分で行うとエアコンが今後使えなくなったり、取り付けてあった箇所が元通りにならなかったりしてしまいます。この工程を理解した上で、専門の方に依頼をした方がいいでしょう。

取り外し時の工程

1.設置状態の確認

エアコンが設置されている状況を確認し、状況に応じて安全に作業を行うための環境を整えます。

2.ポンプダウンの実施

ポンプダウンとは、配管等にある冷媒ガスを室外機の中へ回収する作業です。試運転(若しくは応急運転など)の後、冷房運転を行いながら実施します。また、室外機側の配管のバルブ、ボルトなどの調節しながら作業します。

3.配管の室外機からの取り外し

コンセントを抜いた後に、室外機から配管を取り外し、室外機の栓の処置(キャップを締めるなど)を行います。配管の先端についてはテープなどで養生をしておきます。

4.室外機の取り外し・搬出

架台から室外機を取り外します。持ち運ぶ際に怪我をしないよう注意します。

5.室内機の取り外し・搬出

配管類・ケーブル類を壁などから解体・取り外した後、背面版等や室内機を取り外して搬出します。必要に応じて、壁部分に後処理を施します。

6.配管穴の処置

住宅壁の配管穴をふさぐ処置が必要な場合には、パテ埋めなどを行います。

取り付け時の工程

1.設置場所の確認

設置する場所を決めます。また作業しやすい環境を整えておきます。

2.壁穴の処置

既設の壁スリーブを使用できる状態にします。また穴が開いていない場合には新たに穴を設ける必要があります。

3.背面版の取り付け

壁に背面版(背板)を取り付けます。配管類・ケーブル類は、室内機・室外機を設置する前に必要であれば取り付け処置をします。

4.室内機の取り付け

壁から落ちないよう注意しながら作業します。

5.配管類の切断・フレア加工他の処置

配管の長さ調節(切断)やフレア加工などを行ない室内機と接続します。必要に応じて、配管をテープで束ねるなどの処置を行ないます。室外機側の配管類についても仮施設やテープ巻きなどの処置をしておきます。

6.室外機の取り付け

通常は架台設置後に取り付けを行います。室外機側の冷媒管なども、長さ調節やフレア加工などを行います。

7.真空引きの実施

配管や室外機を、真空ポンプなどを使用して真空状態にして乾燥させます。

8.ケーブル類の接続、試運転

電気ケーブル類の接続や諸処理を完了した後に、コンセントを接続し試運転を行います。特に問題がなければ終了です。